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◎養育費不払いで住所不明の元夫の行方を探す
親が子供を扶助するのは当然の義務であり、未成年の子供の養育に係る費用を負担しなければなりません。
婚姻中はあたり前のこととして意識はしていませんが、離婚した際には、子供の監護をしない親が監護する親に対して、子供の養育費を支払わなければなりません。
しかし、離婚後、最初の内はきちんと支払われていた養育費も、時の経過とともに、支払われなくなり、さらに、支払い義務のある元夫の行方もわからなくなったため、現在住んでいる住所を調べてほしいといった依頼もあります。
養育費の不払い状況
まず、養育費の不払いの状況はどのようになっているのか、具体的な数字を見てみましょう。
以下の数字は、厚生労働省が取りまとめた「平成23年度全国母子世帯等調査結果報告」から引用したものです。
母子世帯の養育費の受給状況
- 現在も養育費を受けている・・・19.7%
- 養育費を受けたことがある・・・15.8%
- 養育費を受けたことがない・・・60.7%
- 不詳・・・3.8%
この数字を見てみますと、現在も継続的に養育費の受給を受けている世帯は約2割にも満たず、約8割の世帯が未払い、あるいは不払いだということがわかります。
なお、資料によると、離婚後の年数が短い方が、「現在も養育費を受けている」とした回答率が高く、年数が経過するに従い、同回答率は低くなっているようです。
なので、現時点で養育費が継続的に支払われていても、年数を経過するに従い、不払いとなる傾向にあることになります。
養育費の不払いの理由としては、支払義務のある非監護親が、仕事を辞めた、あるいは給料が減ったということで、養育費の支払いができなくなったというケースや、非監護親が再婚し、子供ができ、そちらの養育費がかかるなどさまざまなケースがあるようです。
しかし、いくら非監護親の資金面が苦しくなったとしても、養育費の支払い義務を免れるものではありません。
養育費の支払い義務は、子供の最低限の生活を援助する扶養義務ではなく、自分と同程度の生活水準を保持させる生活保持義務とされています。
つまり、非監護親が裕福であれば、それと同程度の生活をさせるための金額を支払わなければなりませんし、反対に、例え借金があったとしても、借金返済を除いた自分の生活費に応じた金額を支払わなければならず、それだけ重い義務と言えるでしょう。
養育費の減額
とは言え、非監護親の仕事や再婚等の環境の変化で、養育費の支払いが厳しくなっても、何が何でも当初取り決めた金額を支払わなければならいというわけではありません。
もし収入が減って、養育費の減額を求める場合は、まず、両親が話し合いを行い、合意に至らなかった場合は、減額を求める方が、家庭裁判所に養育費減額の調停を申立て、それでもまとまらない場合は、審判という形で減額を求めることができます。
非監護親の収入が減って、支払えないという場合でも、このようにきちんとした手順を踏めば問題は無いのですが、非監護親の一方的な判断で養育費の不払いをするということは、決して許されることではありません。
◎養育費の不払い・未払い時の請求方法
では、養育費の不払いが生じた際、具体的にどのような方法で請求すればよいのでしょうか。
請求方法は、養育費に関する取り決めを行っていたか、あるいは取り決めをしていなかったかどうかで、手続き的にも異なります。
養育費の取り決めをしている場合の請求方法
まず、養育費の取り決めをしていて不払いがあった際の請求方法です。
養育費の取り決めをしたと一口に言っても、以下のように様々な形態があるかと思います。
どのような形態で取り決めを行ったとしても、その後不払いが生じた場合には、いきなり法的手続きに進むのではなく、まず、相手と直接、電話やメール、手紙などで催促、話し合いを行うことが重要です。
なぜなら、相手に申し訳ないという気持ちがあったとしても、いきなり法的手続きに進んでしまった場合、相手も頑なになってしまい、支払ってもらえるものももらえなくなってしまう可能性もあるからです。
なので、まずは穏便にお互いに話し合うことが重要です。
なお、催促としての手紙には、内容証明郵便を送るという方法もあります。
【参考】内容証明郵便を郵送するために住所を調べる
さて、話し合いで決着がつかない場合、いよいよ具体的に法的な手段で請求していくこととなりますが、その際、取り決めの形態によって、さらに若干流れが変わってきますので、ケースごとに見ていきましょう。
口約束や念書により養育費の取り決めを行った場合
単なる口約束や離婚協議書、念書などで養育費の取り決めを行っていた場合は、不払いの際、いきなり強制執行に進むことはできません。
まずは養育費請求調停を家庭裁判所に申立てるところから始まります。
①養育費請求調停の申立て
調停では、裁判所の調停員が間に入り、双方の合意に向けて話し合いが行われます。
【参考】養育費請求調停の手続き | 裁判所
②審判
調停が不調に終わった場合には、自動的に審判手続に移行し、裁判官の判断により、審判が下されます。
③履行勧告の申立て
調停や審判で決定したにもかかわらず、それでも相手が養育費を支払わない場合には、履行勧告を利用することができます。
履行勧告は、家庭裁判所に申立てることにより、裁判所から相手に対し、支払うように説得したり、勧告を行ってくれます。
履行勧告の手続きは費用は掛からないものの、勧告によっても相手が支払わない場合には、それ以上の強制力はありませんので、留意が必要です。
④強制執行
強制執行は、最終的な手段で、裁判所が相手の債権や財産などを差し押さえて、その財産の中から支払われるべき養育費を回収するものです。
強制執行は、養育費の場合には、相手の債権である給与、あるいは預金口座に対して行われることが多いです。
強制執行には、以下のものが必要です。
- 調停調書、審判書、判決書などの債務名義
- 送達証明書
- 審判の場合、これが確定したことの証明書
【参考】履行勧告・強制執行の手続き | 裁判所
公正証書、調停、審判、判決により養育費の取り決めを行った場合
離婚時に養育費について、協議離婚においては公正証書を作成している場合、また、離婚調停や審判で取り決めた場合、そして、離婚裁判で判決によって取り決めた場合において、不払いがあった際の請求方法の流れです。
養育費の不払いがあっても、まずは、相手に連絡をとり、話し合いでの解決、内容証明郵便の送付等で請求を試みます。
それでも支払われない場合には、上述の口約束や念書などのケースのように、調停や審判を経る必要はありません。
①履行勧告の申立て
調停、審判、判決によって取り決めている場合は、履行勧告の申立てができます。
②強制執行の申立て
調停、審判、判決の場合には、すでに調停調書、審判書、判決文などの債務名義がありますので、それをもとに、強制執行を申立てることができます。
ただし、公正証書の場合には、執行受諾文言付きの正本である必要があります。
【参考】公正証書正本 | 裁判所
養育費の取り決めをしていない場合の請求方法
離婚時に、様々な理由で、養育費について相手と取り決めなかったという方もいらっしゃるものと思います。
では、養育費について、取り決めを行っていなかった場合、後から請求することはできないのでしょうか?
養育費の支払いは、民法でも定められている義務であり、例え、明確な取り決めが無かったとしても、その義務が消失するわけではありません。
よって、取り決めをしていなかった場合でも、後から養育費を請求することができます。
また、養育費は、そもそも子供の権利ですので、逆に、養育費の支払いはしないという親同士の合意があったとしても無効で、同じく請求することができます。
養育費の取り決めをしていなかった場合の請求方法の流れは以下のようになります。
①相手との直接の話し合い
②内容証明等での請求
③養育費請求調停・審判の申立て
④履行勧告の申立て
⑤強制執行の申立て
以上の手続きについては、あくまで一般論で、個々のケースによってはこの限りではありません。
詳しくは、法律の専門家、裁判所等にご相談ください。
◎相手の行方がわからず、話し合いも請求もできない場合
以上のように、養育費の不払いがあっても、ちゃんとした手続きを行えば、再度、支払ってもらえる可能性があることがわかりました。
しかし、最初から養育費の取り決めをしておらず、後から請求する場合には、相手との関係がまったく途絶えていて、どこに住んでいるのか、連絡先などもわからないというケースもあるかと思います。
また、取り決めをしていて不払いがあったとしても、不払いの間に、聞かされていた住所から転居していたり、強制執行をしようと思っても、聞かされてた勤務先も退職していて、現在の勤務先がわからないというケースもあります。
もっとも、住民票などを辿って行けば、相手の現住所がわかるという場合もあるかと思いますが、住民票の異動も行っていないようなケースですと、まったくの行方知れずとなり、請求しようにもこれでは話し合いさえ行うことができません。
このような場合、行方探し、住所調査のプロである探偵に依頼するという手段もあります。
探偵の方では、ケースにもよりますが、住民票でも掴めない相手の現住所を調べることもできますし、勤務先なども調べることも可能です。
しかし、探偵に依頼するような金銭的な余裕もあまりないという方もいらっしゃるのも事実かと思います。
ただ、強制執行の際には将来的な養育費も差し押さえることが可能ですし、子供もこれから何年も養育費がかかるという場合には、探偵に依頼する費用がかかっても、元が取れる場合もあるかと思いますので、そうしたケースでは、探偵を検討してみてもいいかもしれません。
【参考】探偵興信所の料金や費用相場を解説
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